堀あいえ 電子随筆(Aie HORI online diary)ときどき更新してます update the topic of movies etc.

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映画「ファション・リイマジン Fashion Reimagined)(2023.9.22ロードショー)のこと 16:47
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    お久しぶりです! 映画について書きました。以下。

     

     

    「私のキャリアのスタートは、ファッション業界からでした。2003年から2年間、私はハイファッションブランドのプレスアシスタントを経験しました。私が大学院の新卒で一番最初に働いたのが、当時そのブランドのライセンスを持っていた日本のアパレル企業でした。また、私の実家は明治33年に日本橋で創業した呉服小売店でした。私は子どもの頃から自分の着る物にこだわりがなかったわけではありませんでした。小学生の時には服を白と黒の二色だけでコーディネートしてみようと思いついて実践したり、スカーフのようなネクタイを普段着として首に巻いていました。

    でも、平日は学校の制服を着て過ごす時間がほとんどだったので、私の変わったファッションセンスもあまり人目につくことはなかったと思います。

     ファッションは、もともと全く無縁な世界ではなかったわけですが、最近では、子どもを産む前と後では、やはり環境問題に対する考え方もずいぶん変わってきたので、それに合わせて服に対する考え方も変わってきました。今回、映画で、ファッションに関する新作が発表されたと聞いて当然興味が湧きましたのも、昨年夏に、私は、グローバルサウスのサプライチェーンに関する映画を観ていましたが、今回もそれと同じ系譜に属する映画を発見したと思って飛びつきました。タイトルは「ファッション・リイマジン」です。イギリスのブランド「Mother of Pearl」という会社でクリエイティブディレクターを務めるエイミー・パウニーという女性のサステナブルな服づくりの仕事に密着したドキュメンタリーという内容です。

     

     ここにわざわざ書こうと思いたった理由ですが、一つは、既存ファッション業界に革命を起こそうとする女性クリエーターの真摯な生き方に心を打たれたからで、もう一つは、先ほども書きましたようにアパレル業界を取り巻く環境問題には私も深い関心を持つようになっているからです。

     この地球上で現代人が服を製造する上でどれほどの規模の環境汚染を引き起こしているか。この問題について、今、どのくらいの人が認識しているでしょうか。どうですか? もし認識がまだという人なら、この映画をきっかけに興味を広げてほしいですし、一緒にこの問題について考えることができたらと思います。

     この映画の中で、エイミー・パウニーは、サスティナブルな挑戦をしていて、とても骨の折れる試みですが、エイミーの辛抱づよさには本当に頭が下がります。

     また、エイミーの思想や考え方には、わかるわかると私自身もうなづけるところはたくさんありました。

     でも、問題もあるなと感じました。これは私個人の感じ方に過ぎませんが、じゃあいざサステナブルな商品を買おうかなとなった場合に、やっぱり値段が高いと、正直そう感じます。そこは私も嘘はつけません。

    「Mother of Pearl」の商品もネットで検索すると、検索結果で見られると思いますますが、決して安い買い物ではありません。でもそこは、エイミー・パウニーを応援したいという気持ちや、危機的なファッション業界の問題解決への原動力になってほしいと思う気持ちを変える理由にはなりません。ですから、ここにこの映画とエイミー・パウニーのたくさんの努力のことを書いて、よりたくさんの人とここで彼女の仕事についてシェアできればといいなと思いました。

     エイミー・パウニー自身は「共感できる」と思っているブランドは二つあるそうです。一つはキャサリン・ハムネットによる「キャサリン・ハムネット」、そして、サフィア・ミニーが創業した「ピープル・ツリー」。

    「ピープル・ツリー」の考え方については、私以前に少し勉強したことがあります。これは大学のレポートなのですが、タイトルは「アパレル大国、バングラデシュにおけるサプライチェーンの現状と未来へ向けての課題」、昨年夏に書いた物です。以下に一部を抜粋します。

     

    バングラデシュは、国土面積は日本の4割程度だが、人口は約1億6千万人で、多くの縫製工場が首都ダッカにある。(南谷・浅井・松尾 2011: 46-55,110-116,161-163

     

    <ラナ・プラザの悲劇が引き起こした問題提起>

    だが、ダッカ近郊では、2013年に、複数の縫製工場が入った複合ビル、ラナ・プラザが崩壊する大事故が起こっている(2013年4月24日)。この事故はビルの安全面や労働環境が蔑ろにされたことが引き金となって死者1000人以上、負傷者2500人以上にのぼった(WWD 2019)。「ラナ・プラザの悲劇」と呼ばれるこの事故は、アパレル業界のサプライチェーンにおける労働環境の問題と人権問題を問い直すきっかけになった。特に先進国の消費者たちがこの問題を認識するきっかけになったのは、ファッションジャーナリズムによる報道と、事故の背景に迫ったドキュメンタリー映画「ザ・トゥルー・コスト 〜ファストファッション 真の代償〜(原題:The True Cost)」(2015年公開)の存在だった(注)。」

     

     

    ご一読ありがとうございました。

     

    またこの続きの話を書ける日まで。」

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