堀あいえ 随筆(電子版)日常の風景や映画の話題などを ときどき更新してます

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
第4話「アヒルの奥さんからの手紙」〜1歳3ヶ月と4日目の彼女 21:20
0

    アヒルの奥さんからの手紙

    ↓↓↓

     

     

    「報告があります。今日、私の娘が、母乳を卒業しました!

     

     

      今日、1歳3ヶ月になるうちの娘(正確には1歳3ヶ月と4日目の彼女)が、ついに母乳を卒業しました。夜、寝る前のことです。とても立派にやり遂げてくれました!(祝)

     

    実はずいぶん前から、娘の授乳はすでに1日のうち就寝前の1回だけになっていたのですが、

     

    私もここのところ、授乳前には必ず「今日はいる? 」と、訊くようになっていました。

    返ってくるのが「いる」という返事だとはわかっていてもです。いつかは、「いらない」という 返事が返ってくる日が来るのかなぁなんて想像したりしながら。訊く方のこちらも「いる」と返ってくるのがわかってはいても、一応「いる?」と訊いてみていたのでした。そして時には、「いらなくなった時は、ママに教えてね」なんて声をかけることもありました。

     

     

     

    娘の答えは、いつでも、「いる」でした。

     

     

    ところが、今日は…

     

     

     

     

    なぜ今日を、彼女が「その日」に選んだのかはわかりません。

     

     

    いえ、本当は少し、わかるような気がしています。

     

    それは、今日がパパが、遠い場所へ出張に出かけて行く日だったからです。

     

     

    パパの今回の出張は、長いものです。なので、昨晩はめずらしく娘と三人で外食をしに出かけたりして

    夜も三人で布団に肩を並べて眠りました。

    今朝は、いつもと変わらない朝、

    それでもいつもより少しはゆったりと 家族の時間を過ごしました。

    まだことばのわからない娘に、「パパとしばらく会えないよ」ということをそうやって伝えるつもりもありました。

     

     

    それで? なのか、どうなのか、はっきりとはしませんが、

     

    今晩、彼女の答えは、いつもと違っていました。

     

    こちらはいつも通り、授乳前に「今日はいる?」 と訊いたのです。

     

    ところが、いつも訊いたあとに私の方にもたれかかってくるはずの娘が、

     

    今日は私と反対側の布団の方に倒れ込んだのでした。

     

    (あれ? まさか?) 私は思いました。

     

     

     

    私ははじめ半信半疑でした。

    (本当に?) と思いながら、そのまま黙ってしばらく様子をうかがうことにしました。

     

    すると、娘は、

    しばらくの間は、布団の上をゴロゴロ転がって移動していました。

    でも立ち上がり、近くに落ちていたお気に入りのタオルに急に手を伸ばして、それを自分の顔にあてていました。

    それから、私のお腹の上にまたがってぴょこぴょことジャンプをはじめました。そうしてジャンプして、こちらを見て笑いかけてきて、「ねえねえ、どう? 私すごいでしょ?」と言おうとしているかのようでした。「痛い、痛い」私はお腹をジャンプされて痛がりながらも、そんな娘のことが愛おしくてきつく抱きしめていました。

    そして、そうこうしている間に、娘は寝息をたてはじめていたのです。

     

     

    彼女としては、父親の出発する日を、自分のケジメの日にしようとしたのかもしれません。

    これが小さな彼女がした大きな決断なのなら、勇気もいったでしょうし、褒めてやりたいのです。

    先生も以前にそうおっしゃっておられましたね。

     

     

    ああ、これまで、

    (これまでというのは、娘が生まれてからの1年3ヶ月と4日の間)、

    毎日休まずに、母乳を飲んできたあなた(娘)、

    母乳をあげてきた私(母)、

    もう一度言うけれど、飲む側を続けてきたあなたも、あげる側を続けてきた私も

    ああ本当に本当に、お疲れさま!!

    と、 

    思わずそんな風に、娘がたてる寝息がそう言っているようにも、聞こえてきたとかこないとか…(笑)

     

    この気持ちは嬉しいような、寂しいような、嬉しくて寂しくてしようがないような気持ちです。

     

     

    先生に聞かせていただいた子どもたちの卒乳の体験談のお話にもありましたが、うちも実際にこの日を迎えたことで、こういうことか! とさらに実感を深めております。

     

     

    今度はまたこのような体験談が別の悩めるお母さんの役に立つのなら…と、失礼を承知で手紙にて報告させてもらいました。

    役に立てていただけら幸いです。

     

    それではまた近々、お目にかかります日まで。」

     

     

     

     

     

     

    +++

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    | 創作『世界で一番好きなママ』 | comments(0) | - | posted by 堀 あいえ -
    | 1/5 | >>