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映画報vol.9(嗤う分身) 22:09
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    『嗤う(わらう)分身』。ジェシー・アイゼンバーグとミア・ワシコウスカが共演している映画です。ドストエフスキーの小説『分身』が原作。(2014年11月8日全国ロードショー)



    ベルナルド・ベルトルッチが1968年に『ベルトルッチの分身』という映画を発表しています。その映画を観る機会を得たのは今から1年以上前のこと。これは! と、思いました。今回新たにベルトルッチではない別の若い監督によってドストエフスキーの原作がまた映画化されたと聞いて。これは! (観ない手はない)と思い試写へ行きました。

    映画の冒頭では、次世代のジム・ジャームッシュや、ウェス・アンダーソンと呼ばれそうな映像表現であるなあと、思いをめぐらせてしまいました。光と影の濃淡、奇妙で恐ろしき世界であると同時に美しきものでもあるという世界観、ブラックユーモア……。

    そこへ現れたのは主人公・サイモン。彼は冴えない男というキャラクターです。ある日、サイモンは勤務している会社に新入社員として入ってきたジェームズという謎の男と知り合います。ジェームズは曲者で、サイモンと容姿のうえでは瓜二つ、性格のうえでは全くの正反対。サイモンの存在を脅かす、分身というもうひとりの存在です。ジェシー・アイゼンバーグが一人二役で演じているのですが、二役の見事な演じ分け、釘づけになりました。

    サイモンは、新入社員ジェームズが現れてからというもの、職場で影が薄い存在になり、いっぽう姑息な手を使ってまわりからちやほやされはじめた打算的なジェームズは、欲望の矛先を職場内にとどまらず、サイモンが密かに想いを寄せている意中の人・ハナにまで向けていきます。

    ハナ役を演じているのは、ミア・ワシコウスカです。

    ミア・ワシコウスカは、コスプレに関しても目が離せないところがあります。ここで突然のようですが、『アリス・イン・ワンダーランド』、『ジェーン・エア』、『永遠の僕たち』、『アルバート氏の人生』……と、これらはこれまでのワシコウスカの出演作ですが、これら出演作にワシコウスカのコスプレの系譜は観ることができるということを前置きしておきたい思います。「ワシコウスカのコスプレの系譜」(ほかに何かいい言い方があればそちらでもいいのですが、とりあえずはそう言っておくことにしましょう)。「ミア・ワシコウスカは、コスプレ女優である」、これは、そんな定説を創ってしまいたくなるくらいに、ワシコウスカが着ているとどの衣裳も魅力的に見えるという意味です、そして彼女がそんな不思議な法則にも似た特殊性を持った女優さんであるらしいと、(そのことを最初に感じたのはずいぶん前の出演作でのことでしたが、)今作を観てまたひとつ思い入れを深めることになりました。

    このことは、実際にワシコウスカと仕事を共にした衣裳デザイナーの人々が、これまでの作品について残しているコメントのなかにも根拠を持つところです。ワシコウスカは衣裳デザイナーのあいだでも人気が高い女優さんのようです。ひょっとするとワシコウスカが衣裳を身につけると、アカデミー賞の衣裳デザイン賞部門で注目されやすいというジンクスでもあるのでしょうか?? 

    脱線してしまったようなので、話を元に戻しましょう。

    『嗤う分身』のなかで、ミア・ワシコウスカが着ていたのは、白いワンピースでした。厳密にいうと、白いミニ丈のワンピースと、白いレース素材のワンピースという2タイプの白いワンピースを出演シーンによって着分けていました。とてもシンプルに、その2着で構成されているのが今作の彼女の衣裳です。(そこへコートやカーディガンを羽織ったり、頭にスカーフを巻いたりというアレンジがシーンによってされていました。)衣裳デザイナーの名前をチェックしました。ジャクリーヌ・デュラン氏でした。『プライドと偏見』や『つぐない』、『アンナ・カレーニナ』などで定評のある衣裳デザイナーです。


    さて、劇中音楽のことや使用されたカメラのことなどにも特徴のみられる映画なのですが、ここでは衣裳のことに限ってお話ししています。

    最初に、これは! (観ない手はない)と思ったときのことをお話ししましたが、実はミア・ワシコウスカが出ているということももうひとつのモチベーションになっていました。最後に告白のようになってしまいましたが。

    それにしてもドッペルゲンガ―(分身)……恐ろしいトピックです。

    監督の次回作と、そして今後のワシコウスカのコスプレのほうも、動向を追いつづけたいと思っています。









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