堀あいえ 随筆(電子版)日常の風景や映画の話題などを ときどき更新してます

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検証――あの子がハンガーに掛けた服ってどんな? 18:07
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    ◆本のタイトル「点子ちゃんとアントン」
     ケストナー作/池田香代子訳

      「 点子ちゃんは、体にまくらをしばりつけ、その上から、父さんの赤いガウンをはおっていた。
       おかげで、丸っこい、でこぼこのティーポットみたいだ。ガウンのすそから、なにもはいてな
       い細い足が、まるでドラムのスティックのように、ひょろりとのぞいている。頭には、ベルタ
       さんのよそいきの帽子が、あぶなっかしくのっている。」


    ◆本のタイトル「モモ」
     ミヒャエル・エンデ作/大島かおり訳

      「 スカートは、ありとあらゆる色のつぎぎれを縫いあわせてあって、かかとまでとどくほどの長
       さです。そのうえに古ぼけただぶだぶの男ものの上衣(うわぎ)を着て、そで口を折りかえして
       います。長すぎるぶんをきってしまうのはいやでした。からだが大きくなることを、ちゃんと考
       えているからです。」


    ◆本のタイトル「エーミールと探偵たち」
     ケストナー作/池田香代子訳

      「 いのいちばんにあらわれたのは、ほかでもないエーミールだ。紺色のよそいきを着ている。
       これを着るのは好きじゃない。しかたのないときだけ着る。紺色の服は、いやになるほどすぐ
       によごれてしまうのだ。すると、エーミールの母さんは洋服ブラシを湿らせて、両ひざでエー
       ミールをはさんで、ごしごしブラシをかける。そして、そのあいだじゅう、こう言いつづける
       のだ。
        「もうエーミールったら、新しいのは買ってあげられないのよ、わかってるでしょ」」


    ◆本のタイトル「ムーミン谷の夏まつり」
     トーベ・ヤンソン作/下村隆一訳

      「 近づいてみると、スノークのおじょうさんは、もうぼうっとなってしまいました。指でドレ
       スにさわってみ、それからうでいっぱいにドレスをかかえて、それを鼻におしつけたり、むね
       にだきしめたりしました。ドレスはサラサラと鳴って、ほこりと香水のにおいをたてました。
       やわらかいドレスたちは、スノークのおじょうさんを、ふしぎなゆたかさなの中につつみこみ
       ました。
        ふいにスノークのおじょうさんは、ぜんぶを手からはなすと、ちょっとのあいだ、さかだち
       したのです。それからそっとつぶやきました。
        「すこし気をおちつけないとね。そうしないと、わたし、しあわせで破裂しちゃうわ。あん
       まりたくさんありすぎて……。」」







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